カマンベールやブリーに代表される白かびチーズは、日本でもお馴染みのもっちりとした食感とミルキーな味わいが特徴的。赤ワインとの組み合わせは至上の喜びです。
目次
白かびチーズとワインの基本ペアリング
基本のマリアージュは赤ワインですが、熟成の度合いや含まれる脂肪分によって軽め〜重めの赤までバリエーションは豊富。ただ、そのチーズの生産地周辺で造られたワインとは相性がいいことが多いので、まず試してみてください。
チーズが若めでフレッシュな場合は軽めのロワールやブルゴーニュ、熟成が進むにつれボディのしっかりとした同じくブルゴーニュ、ロワールのほか、ボルドーもおすすめです。ダブルクリーム、トリプルクリームといった脂肪分が多めでクリーミーなタイプにはスパークリングとの相性もいいですよ。
また、日本で造られているカマンベールは本場のものとは異なり、少しふくよかな白と合わせるのも良いでしょう。
白かびチーズとは|もっと詳しく
白かびチーズとは、チーズの製造過程で白かびを噴霧し、熟成を進めるチーズのことです。このカビがたんぱく質分解酵素を分泌してアンモニアが生成され、乳の主要なたんぱく質であるカゼインを分解することで美味しいチーズへと変化していきます。
白かびタイプは熟成の若いものは中に芯があるように内側がしっかりとしていますが、熟成が進むにつれ外側から軟らかくなり、最終的には中までとろりと軟らかくなっていきます。カマンベールやブリーがその代表格で世界中で愛され、日本でも手軽に入手できるタイプのチーズの1つです。
世界中で生産される代表的な白かびチーズ
- ブリ―
- カマンベール
フランスの原産地呼称認証(AOP、IGP)白かびチーズの代表例
- カマンベール・ド・ノルマンディー(フランス・ノルマンディー地方)
- ヌーシャテル(フランス・ノルマンディー地方)
- ブリー・ド・モー(フランス・イル=ド=フランス地方)
- シャウルス(フランス・シャンパーニュ=アルデンヌ地方)
AOP、IGP認可外の人気の白かびチーズ
- バラカ(フランス・サントル・ヴァル・ド・ロワール地方)
- シュプレム(フランス・ブルゴーニュ: フランシュ・コンテ地方)
- カプリス・デ・デュー(フランス・グランテスト地方:シャンパーニュ~アルザス)
- サンタンドレ(フランス・オクシタニ地方:ラングドック・ルーション地方)
- パヴェダフィノワ(フランス・ローヌ・アルプ地方)
- ブルソー(フランス・イル=ド=フランス地方)
- ブリア・サヴァラン(フランス・ノルマンディー地方)
赤ワインとカマンベールのマリアージュ
製造後21日で出荷が可能となるカマンベール。若いものは中心部がまだ白くクリーミーさはありませんが、カマンベール誕生の地ノルマンディーではこうした若いものが好まれるそうです。
このような若いカマンベールには香りが華やかで軽やかな赤を。そして熟成が進んで中がトロトロになってきたものにはその濃厚さを受け止められるどっしりとした赤を選びましょう。
フレッシュな若いカマンベールには…
熟成が進んだカマンベールには…
赤ワインとブリーのマリアージュ
ブリーにはいくつか種類がありますが、カットされた状態で日本でよく目にするものはAOP認可外の「ブリー」。白かびの層が厚く、クリーミーで食べやすくなっています。一方AOPの代表格はブリー・ド・モー。わずか21日で出荷が可能となるカマンベールと違って、ブリー・ド・モーは最低8週間の熟成が義務付けられています。
日本のスーパーなどで入手できるブリーには、カマンベールと同様かもしくはもう少ししっかり目のワインを合わせましょう。
ブリー・ド・モーの場合、既にある程度熟成しているので、お肉料理を食べた後まだグラスに残っているしっかり目の赤と合わせるとお互いが引き立ちます。
クリーミーな白かびチーズに合うワイン
シャンパーニュとの相性が良いと言われるシャウルスは、2週間〜1ヶ月程度の熟成ですがとてもクリーミーで口の中で溶けるようなチーズ。
スーパー等でも見かける天使の絵が目印のカプリス・デ・デューはダブルクリームで、工場で量産されるものですが、60年以上親しまれています。そのクリーミーさとわずかな酸味には、シャンパンがおすすめですが、少し酸味のしっかりした赤ワインにもよく合います。
日本人にも馴染みが深い白かびチーズは、赤ワインとの相性が良いのはもちろんですが、日本で入手できるものは比較的若いものが多いので、ふくよかなタイプの白ワインやロゼワインとの合わせも悪くありません。ここに挙げたのはほんの一例で、いくつもの美味しいマリアージュがあるのでぜひいろいろな種類のワインと試してみてください。