ピノノワールの基本マリアージュ
ピノノワールはカベルネソーヴィニョンやシラーなどの濃い赤ワインに較べると、タンニンの渋味が少ない軽やかな味わいの、飲みやすいワインに仕上がります。酸もしっかりしていて、白ワインに通じるキレもあり、食中酒として様々な料理と合うとても使いやすいワインです。相手をねじ伏せないというのが特長で、鶏や豚といった「白い肉」にぴったりと合ってくれます。また和食とも馴染みやすいのがありがたいところです。
ブルゴーニュのようにオーク樽熟成させると、繊細なピノノワールの特徴を残しつつも、様々な風合いと力強さが加わり、牛や鹿などの「赤い肉」やコッテリとしたソースとも互角に渡り合え、より王道フレンチに合わせられるようになります。
合わせる料理を選ぶ際は、ピノノワールでも【オーク樽熟成】と【ステンレスタンク熟成】で変わるキャラクターの違いを理解しておくことが重要です。
ピノノワールってどんな品種?
ピノノワールはフランス北東部原産のぶどう品種で、2千年以上前からブルゴーニュやシャンパーニュ、アルザスといった、北部の冷涼な地方で生産されてきました。中世では王侯貴族から好まれて、他の品種と混ざらないように厳重に保護されていたため、ほとんど同じ形で現在も残っている貴重な古代品種です。
ピノノワールの樹は病虫害に弱く、ぶどう房は果実が密集して実るため通気性が悪くなって育ちにくく、しかも果皮は極めて薄いため強すぎる日差しにも弱く、カビなどの微生物が付くとすぐ病気にかかります。そこで畑の状態や気象状況など栽培環境(テロワール)によって大きな差が生じることもピノノワールの特徴です。
作りにくく、人がしっかり世話をしないと収穫は質量ともに見込めないということは、農民から見ると劣等生の品種です。通常は淘汰されてしまうはずですが、出来上がるワインの質が抜群に優れていることから、王侯貴族たちのおかげで生き残りました。
ブルゴーニュのピノノワール
テロワールの影響を受けやすいピノノワールは畑を選びます。ブルゴーニュ地方ではディジョンの南、ボーヌ周辺までの斜面がコート ドール(黄金の丘)と呼ばれ、フィクサン、ジュブレ シャンベルタン、ヴージョ、ヴォーヌ ロマネ、ニュイ サンジョルジュ、アロース コルトン、ボーヌ、ポマール、ムルソー、サントネーと続く村々で質の高いピノノワールを生産していますが、決して広い地域ではありません。
ブルゴーニュのピノノワールは高級ワインの代名詞で高価ですが、コート ドール以外のブルゴーニュ地方全体ではピノノワール栽培に向いていない畑が多いのが実情ですので気をつけましょう。ブルゴーニュの格付についてはこちらをご覧ください。
醸造方法や産地で変わるピノノワール
アルザスやドイツの樽を使わずにタンク熟成させたピノノワールは、淡い色合いに似合うフレッシュなイチゴのような可愛らしさがあり、クセが少ない素直で食事に合わせやすいワインになります。
ブルゴーニュのピノノワールは、オーク樽で熟成させることで、淡い色合いでありながら、特有の様々な香りと独特のキノコの風合いが醸し出されてきます。
ピノノワールは皮の色が濃い黒ぶどうですが、実の色は白いため、収穫してすぐに搾ると赤い色が付いていない果汁です。シャンパーニュ地方で作付け面積が最も多い品種はピノノワールで、ピノムニエ、シャルドネとブレンドされてシャンパンに使われます。稀に、ピノノワール100%で仕込んだシャンパンもあり、【ブラン ド ノワール】と呼ばれます。
ピノノワールはフランス以外のヨーロッパでも、東欧から北スペインまで広く栽培されていますが、ドイツ語で シュペートブルグンダー (Spätburgunder)、イタリア語でピノ・ネロ (Pinot nero)など各国で呼び方が変わります。
銘醸地の高貴品種のため、ピノノワールに挑戦する生産者が多く、現在ではヨーロッパにとどまらず、アメリカ大陸やオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどの新世界でも広く生産されており、それぞれのテロワールの影響で様々な味わいのワインが生まれています。
ピノノワールを使ったワイン
同じピノノワールでも産地や醸造方法でずいぶんと味わいが違います。ぜひいろいろな料理との相性をお試しください。
ブルゴーニュ地方(フランス)
【ドメーヌ シャペル】
【シャトー ド プレモー】
シャンパーニュ地方(フランス)
通常の2倍以上の3年以上カーヴで熟成させたオヴィレ村の一級畑の極上シャンパーニュ。白い花のような軽いアロマと心地よい樽の香りが調和し、複雑で芳醇な味わいが魅力
アルザス地方(フランス)
【ユージェーヌ メイエー】
南西地方(フランス)
【ドメーヌ ド パジョ】
ピノノワールの魅力は高貴なブルゴーニュだけではありません。お料理に寄り添ってくれるアルザスやガスコーニュのピノノワールも素晴らしい味わいです。ぜひお試しください。



























