甘いまろやかな白味噌をベースにした旨味が魚にしっかりと乗り、味わい深い西京焼き。口当たりの優しい白ワインやロゼワインがおすすめです。
西京焼きとは
西京焼きとは、甘い白みそに酒やみりんを加えて柔らかくした中に漬け込んだ切り身の魚や肉を焼いたお料理。素材の味が引き出されて白みその旨味と甘みと混じり合い、まろやかなでとろけるような味わいです。
お味噌はワインと同じ発酵食品なのでとても相性がよく、ほのかな甘味を持った白味噌には口当たりの優しいワインがぴったりです。
スパークリングワインと西京焼きのマリアージュ
爽やかな香りのスパークリングは、和食によく合います。シャンパーニュやクレマン、カヴァなどのスパークリングワインは、瓶内二次発酵という工程を経ることで、まろやかな味わいや複雑な風味が生まれるため、西京味噌の旨味とよくまとまります。また繊細な泡は風味を邪魔せず、まったりした西京味噌の味わいを際立たせてくれるでしょう。
白ワインと西京焼きのマリアージュ
リースリングはいかがでしょうか。ほんのりした甘味が西京味噌の旨味と合うのはもちろん、程よい酸と果実味も実は味噌とはいい相性です。
また、柑橘系以外の白ワインも合います。樽の香りのあるワインは、焼いた皮やお味噌の香ばしさにぴったりです。樽の香りは強すぎないほうが、西京味噌のまろやかなコクに合うでしょう。
ロゼワインや軽口赤ワインと西京焼きのマリアージュ
サワラや銀ダラ等の白身魚には白ワインがおすすめですが、サーモンやブリ、赤魚等の西京焼きには、色を合わせてロゼワインや軽めの赤ワインはいかがでしょうか。白身魚より、少し味が濃いお魚なので、優しいタンニンを持つワインも合います。西京味噌を赤味噌で代用した場合も、よりロゼワインや軽めの赤ワインが合うでしょう。
西京みそとは
代々の天皇が住み日本の首都だった京(京の都)から明治維新で江戸に引っ越し、江戸が東の京(東京)となったことで、元来の京(京都)の別称として西京と呼ばれるようになりました。
西京みそとは京都の白みそ、みそといっても他所のみそとは全く違い驚くような甘さが特徴です。
普通の味噌は大豆が主原料で、白味噌には米を加えて色を抑えていても塩辛いものです。しかし京都の白味噌は米が主原料なので麹を加えて発酵させると甘酒に変わり、そこに茹でた大豆を加えて発酵を続けて作るので、色は白く、甘みと旨味を兼ね備えた独特の白みそとなっています。
通貨が米だった時代、安い大豆ではなく米をふんだんに使う白みそは贅沢の極み。千年の王城の地、京都ならではの味です。
実は京都の白みそが無くても西京焼きは作れます。甘い白みそに酒を加える代わりに、普通のみそに甘い本みりんを加えても、甘みと旨味を併せ持った似たような味になります。そこに甘めの純米酒を足すとより風味が増します。 |
ほかにもワインとの相性をより高めるために、オリーブオイルで焼いたり、チーズをかけたり、西京焼きはアレンジも楽しめます。「お魚には白ワイン」という定番からさらに一歩踏み込んで、マリアージュの世界を広げてみませんか。