生ハムの塩気と旬のメロンのみずみずしい甘み。定番のこの美味しい組み合わせには、食事の最初にぴったりのスパークリング、フルーティな白ワイン、少し冷やしたカジュアルな赤ワインがよく合います。
生ハムメロンとは
イタリアではプロシュート、スペインではハモン、フランスではジャンボンと呼ばれる生ハムを地元のメロンにのせた伝統料理、生ハムメロン。イタリア、スペイン、フランスは言わずと知れたワイン大国。伝統食の生ハムメロンはもちろんワインとの相性はバッチリです。
皮を剥かず、くし形に切ったメロンに一口大サイズで食べられるように切れ目を入れて、その上に買ってきた生ハムを載せるだけなので、とても簡単に前菜の一皿になります。
生ハムは一年中手に入る保存食ですが、メロンは初夏から盛夏にかけて露地物がどっと出るので、本来はこの季節の料理でしたが、今はメロンがいつでも手に入るので、季節を問わず食べられています。
冷蔵庫がない時代から保存食として作られて来た生ハム。製法は、豚の足を大量の塩に埋めて数日間置いて水気が抜けてから、洞穴や地下室で逆さに吊るして1年以上ゆっくりと待つだけです。地下室の温度はワインセラーと同じ。乾燥肉にはカビが付いて発酵し、アミノ酸が作られてうま味が高まります。原理は鰹節と同じです。長く吊るすだけ肉は乾燥して堅くなります。そこでよく切れるナイフで薄く削いで供します。
生ハムは塩辛いので、パンを添えるのがポピュラーな食べ方。ワインが進みます。バゲットに挟んで生ハムサンドイッチにすると手軽なランチ。
パン無しで前菜にするには果物の甘みが欲しくなります。夏に乾燥する地中海地方ではどこでもメロンが栽培されていますから、ここに生ハムを載せて食べるというのは、誰もが思い付く庶民の味。メロンの糖度が少々低くても、生ハムの塩味とうま味が入るので、必ず美味しくなります。だから高級メロンでなくとも、スーパーの特売メロンでもOKです。
同じく地中海でポピュラーなイチジクに載せても美味。日本の果物なら干し柿と生ハムは絶品です。
スパークリングワインと生ハムメロンのマリアージュ
オードブルとしていただくなら、乾杯のスパークリングがおすすめ。イタリアのスプマンテ、スペインのカヴァはいかがでしょうか。
白ワインと生ハムメロンのマリアージュ
生ハムとメロンの爽やかな組み合わせには、フレッシュフルーティな白ワインが合います。レモンをかけるように、柑橘系の白ワインを合わせてください。特に、メロンのほのかな甘さとフレッシュ感には、ミュスカが驚くほどに寄り添ってくれます。
赤ワインと生ハムメロンのマリアージュ
生ハムの肉感に合わせれば、赤ワインもぴったり。スペインでは軽めのテンプラニーリョ、イタリアでは赤の微発泡をよく合わせます。コショウを効かせたら少しスパイシーなワインもいいでしょう。
いかがでしたか。コツを押さえて、美味しい生ハムメロンを作ってみてください。メロン以外の果物でも、甘さが控えめであれば、同じ要領で美味しいマリアージュが楽しめます。