鍋料理を代表するものの1つ水炊き。食材のおいしさをシンプルに味わうこの料理には、出汁のコクや味付けに合わせてワインを選ぶと見事にマッチします。
目次
水炊きとワインの基本ペアリング
昆布だしに鶏肉や野菜、豆腐を入れて煮立たせ、ポン酢で味わう水炊き。九州では骨のついた鶏肉をじっくり煮込んだ白いスープがベースとなります。
前者の場合、さっぱりとキレが良い白ワインが最適です。具材に豚肉などを使う場合はロゼワインも良いでしょう。しっかりと鶏肉の旨みの出たコクのあるスープで味わう九州の水炊きの場合は、やはりコクのある白ワインがおすすめです。
水炊きとは|もっと詳しく
一般に、鶏肉と野菜を使った鍋料理でポン酢をかけて食べます。関西と九州で特によく食べられます。日本酒はもちろんですが、ワインもよく合います。
関西と九州の水炊きは別料理
「水炊き」という同じ名称ですが、実は別の料理。関西では鍋に水と昆布を入れて加熱し、だしが出たところに鶏肉や野菜や豆腐を加えてさっと煮立ててポン酢でいただきますが、九州・博多では鍋に水と鶏肉を入れて長時間煮込み、汁が白濁してから野菜や豆腐を茹でポン酢でいただきます。いずれも醤油や味噌などの調味料を加えないことで水炊きと呼ばれています。同じ鶏鍋でも、秋田のキリタンポ鍋や東京のかしわ鍋等は、最初から醤油や味噌などで濃い味を付けるもので、水炊きとはだいぶ趣が違います。
関西では鶏肉だけでなく、鯨のコロ(油を搾った肉)や豚肉も水炊きにします。調味料を入れないため素材の良さが活きる水炊きには、すっきりとしていて穏やか、かつ上品な白ワインやロゼワインを合わせるとよいでしょう。
関西の水炊きと白ワインのマリアージュ
鶏肉を昆布の効いただし汁でさっと煮たてた、あっさりした水炊きには酸がきれいで上品な白ワインがおすすめです。
関西の鯨のコロや豚肉の水炊きとロゼワインのマリアージュ
鶏肉よりもコクの出る鯨のコロや豚肉の水炊きには、酸のキレがいいロゼワインやロゼスパークリングワインを合わせるのがおすすめです。
博多の水炊きと白ワインのマリアージュ
ぶつ切りにした骨付き鶏肉を煮立たせ、ガラやその周りから抽出されるコラーゲンエキスたっぷりの水炊きには、酸味と果実味のバランスがよい、しっかり目の白ワインを合わせるのがおすすめです。
博多の水炊きとロゼワインのマリアージュ
筋肉がしまっているいい地鶏が手に入った際には、ふくよかで果実味が感じられるロゼワインを合わせてみましょう。
鶏は脂が出るので、湯の表面に浮いた脂分をスプーンで丁寧に取り除くのがコツ。あとは簡単ですので、おうちごはんで気軽にワインとのマリアージュを楽しんでください。