昔から常備菜として親しまれてきたお漬物。発酵食品であるお漬物は日本酒や焼酎だけでなく、実はワインとの相性もよいのです。
お漬物とワインの基本ペアリング
基本的にはさっぱりとしたピクルスや甘酢漬け、浅漬けに関しては酸味のある白ワイン、香りが印象的なお漬物(赤紫蘇の香りがたつしば漬けや柚子大根など)は、その香りが感じられるワインを選ぶとマリアージュの精度が上がります。
麹が使われたべったら漬け等のお漬物は、酸味よりもまろやかさや甘さがあるので、コクのある、酸味が柔らかめの白ワインを選びましょう。
奈良漬は酒粕由来のアルコール分もあり、漬物自体にコクや強さがあるので、ぜひ赤ワインを。
それ以外にも、例えばゴマやピーナッツ、胡桃などのナッツ類を加える、オリーブオイルやごま油を垂らしてみる、クリームチーズやハード系のチーズと一緒に食べるなど、油脂を加えることで、合うワインの幅は大きく広がります。
さっぱりしたタイプのお漬物でも厚みのある白ワインや赤ワイン、スパークリングなどに合わせることが可能になるというわけですね。
お漬物とは|もっと詳しく
お漬物と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか?たくあん、しば漬け、奈良漬け、きゅうりのぬか漬け、ゆず大根etc…ピクルスやキムチもお漬物ですね。ザワークラウトも作り方としてはまさにお漬物。
そう、お漬物とは一般的には塩、ぬか、麹、酒粕などに野菜を一定期間漬け込んでできたもの。漬けている間に乳酸発酵が始まり、その働きで酸味も加わります。
味わいを補強するために、旨み成分を担う昆布、唐辛子などのスパイス類、爽やかさを加える柚子など柑橘類の皮などが加えられたりもします。
一方、甘酢漬けやピクルスは、酢をベースとした液に野菜を漬け込んで作ります。
刻んだピクルスとたまねぎ、ゆで卵とマヨネーズを合わせたタルタルソースはいろいろな料理に合わせられて重宝しますが、ピクルス以外のお漬物でアレンジするのもお勧めです。
それ以外にも、クリームチーズに刻んだたくあんや古漬けを混ぜてみる、らっきょうを刻んでポテトサラダに忍ばせるなど、お漬物をちょっとアレンジすると、ワインによく合うおつまみへと変貌します。
白ワインとお漬物のマリアージュ
ひと晩漬けていただく浅漬け、爽やかなピクルスや、かぶや大根の甘酢漬けなどにはさっぱりとした爽やかな白ワインがぴったりです。
麹と砂糖を使ったまろやかな味わいのべったら漬けにはちょっとふくよかさもあるこんな白を。
ロゼワインとお漬物のマリアージュ
すっきりさっぱり系のロゼワインは、白ワインとほぼ同じ感覚で合わせることができます。また、お漬物を少しクリームチーズと和えたり、オリーブオイルと合わせてクラッカーやパンと一緒に食べる場合にもロゼワインはお勧めです。
赤ワインとお漬物のマリアージュ
赤ワインもお漬物もどちらも好きなので、お漬物をつまみにする可能性が高い!という方は、酒粕の強さがしっかり染み渡った奈良漬や、スモークの香りが特徴的ないぶりがっこなどを揃えるようにしましょう。クリームチーズやハードタイプのチーズも常備しておくと完璧です。
漬物単体なら、奈良漬にはコクやアルコール分を受け止めてくれる味わい豊かなタイプを。いぶりがっこはスモーキーさを感じられるネッビオーロなどお勧めです。
クリームチーズは、奈良漬やいぶりがっこの強さを優しい酸味とクリーミーな油脂分で包んでくれて、ほとんどどんなワインでも合うようになります。
番外編:ぬか漬けに合わせてみたいドラド・セコ
少ししっかり漬かったぬか漬けには、ちょっとひねた香りもするこちら、ドライシェリータイプのお酒もお勧めです。少しオリーブオイルを垂らせば相性抜群!
これぞ和食!のお漬物ですが、ワインとの組み合わせも決して悪くはありません。ちょっとつまんで飲みたいな、と思った時には冷蔵庫の中のお漬物とのマリアージュもぜひ試してみてくださいね。
そのままだとピンとこない時には、ナッツ類、油脂類、チーズを加えることでグッと合わせやすくなりますよ。