フレンチでも和食でも人気の鴨料理。しっかりとした肉質と脂のおいしさが人気の鴨肉は、赤ワインとの相性がバッチリです。
目次
鴨料理とワインの基本ペアリング
肉の質感、味わい、脂のコク、どれをとっても合わせるなら赤ワインです。調理法がフレンチスタイルでも和食でも、ワインの選択は赤ワイン一択。
調理の仕方に合わせて、どんな赤を選ぶのか、あるいはどんな赤を開けようとしているかで調理法を選ぶとよいでしょう。
鴨肉・鴨料理とは|もっと詳しく
鴨は水鳥のため、脂肪分が鶏などに比べしっかりと厚いのが特徴的。肉色は赤みが強く、鉄分が豊富に含まれています。肉の繊維がしっかりしていて、鶏肉よりずっと弾力のある歯応えです。
鴨には狩猟で仕留められる野生の野鴨(ジビエに分類される)もありますが、一般的に出回って、食す機会も多いのは家畜として飼育されている鴨です。
調理法としては、フレンチでは胸肉をローストやソテーしてオレンジやベリー類など果物を使ったソースでいただくものを中心に、骨付きのもも肉は低温の脂でじっくり火を通すコンフィにしたり、煮込み料理に使われることもあります。和食では鴨南蛮や鴨鍋がお馴染みです。
和の鴨料理に合う赤ワイン
鴨の出汁と醤油、みりんの甘辛い味わいで食べる和食には、酸味や渋みが目立たない、まろやかな赤ワインを。山椒を効かせる場合は、少しハーブの香りやほのかに柑橘の風味を思わせるタイプを選ぶとよりまとまりが良くなります。
フレンチの鴨料理に合う赤ワイン
鴨肉のローストをフルーツを使ったソースで味わうなら
フレンチの鴨料理の王道と言えば、鴨のオレンジソース。ローストした胸肉をスライスし、オレンジを使い少し焦がしたキャラメルの風味をまとった甘味のあるソースでいただきます。
オレンジの他にも、鴨肉にはブルーベリーやカシス(黒すぐり)のような果物を使ったソースがよく使われます。
こちらには、果実味が豊富で、酸味も適度に感じられる赤ワインがぴったりです。
鴨のコンフィと味わうなら
もう1つの定番が、骨付きのもも肉を低温の脂の中でじっくりと火を通して仕上げた鴨のコンフィ。表面がカリッと、そして肉はほろっと解ける食感と適度な塩分のシンプルなおいしさに、人気の高いメニューです。
鴨のコンフィには、バランスの良い赤を。気楽に好みのタイプの赤ワインを開ければ十分美味しく合わせられます。渋みが強すぎると肉の美味しさを消しかねないので、あまりパンチの強いものは避けましょう。
鴨は古今東西のご馳走料理
日本でも、昔から親しまれてきた鴨。「鴨がネギ背負ってやってくる」と言われるほど、鴨とネギとの組み合わせは、鍋でも鴨南蛮でも焼き鳥にしても最上級。
醤油とみりんの甘辛い味付けに山椒の香りがこの上なく合います。
自分で調理する場合、一般的にスーパーで目にするのは鍋用に販売されている薄くスライスされた胸肉やもも肉。肉の種類が豊富なお店なら骨付きのもも肉も入手可能でしょう。
それ以外では、胸肉の塊を味付けして焼き上げてパッキングされた、いわゆる「鴨ロース」と呼ばれる加工品(居酒屋などのメニューにもありますね)もよく目にします。
フランス料理では、伝統的なものでは焼いた胸肉にオレンジソース、そして骨付きもも肉を使ったコンフィが筆頭。ビストロの定番メニューとして、マッシュポテトやじゃがいものソテー、キャロットグラッセにグリーンピースなどと供されます。
日本でも海外でも人気の鴨肉は、赤ワインとの相性が抜群です。基本的には渋みが強すぎるものを選ばなければ、大きく外れることはありません。
あとは調理法や調味料、ソースの味わいを少し意識するだけで、極上のマリアージュが生まれます。外れにくい食材だからこそ、狙って合わせてみてマリアージュの妙をぜひ楽しんでみてくださいね。