フランス南部の郷土料理カスレは、白インゲン豆と鴨や羊、ソーセージなどを煮込んだ料理です。しっかりと濃厚なこの料理には、地元の赤ワインがぴったりです。
カスレとワインの基本ペアリング
フランス南部のラングドック・ルーション地方の郷土料理であるカスレは、山間の厳しい冬を乗り切る料理として、地元の濃厚なワインとともに愛されています。ラングドック・ルーション地方は、フランスの中でもワインの名産地の1つ!フランス南部らしい、太陽の光をいっぱい浴びた果実味たっぷりの赤ワインがカスレにぴったりです。
カスレとは
カスレとは、白インゲン豆を鴨や羊、ソーセージ等のお肉と煮込んだフランス南部の郷土料理。濃厚でボリュームのある一品ですが、旨味をたっぷり吸ってとろけたインゲン豆は優しく滋味深い、何度でも食べたくなる美味しさで、赤ワインにとてもよく合います。
発祥の地とされているのは、歴史的にはラングドック地方に入る、トゥールーズ、カステルノダリー、カルカッソンヌ。この3市があるピレネー山脈と中央高地の間の谷は、大西洋と地中海を結ぶ重要なルートとなるため、ローマ時代から中世が終わりフランスが統一されるまで、この谷の街道を巡って戦乱が絶えませんでした。これらの町は戦いに備えるため街の周囲を囲んだ城壁都市で、敵に攻められると援軍が来るまで何か月も籠城して待ちます。長い籠城生活を支えたのが、保存できる塩漬け肉と乾燥豆のみで作れるカスレだったのです。 |
カスレとラングドック ルーション地方の赤ワインのマリアージュ
ぶどう栽培に理想的な気候のこの地方は、美味しいワインの宝庫。シラーやカベルネソーヴィニヨン、カリニャン等のブレンドで造られることの多い赤ワインは、どれも果実味やタンニンのしっかりしたフルボディなので、スパイスを効かせたり、数種のお肉を使った複雑な旨味のカスレとの相性は抜群です。
ホクホクとしたお豆の優しい甘味やトマト味を楽しめるカスレには、酸を感じるミディアムタイプをチョイスしてもいいでしょう。
カスレとスペイン・ポルトガルの赤ワインのマリアージュ
実はピレネー山脈を越えたスペインにもカスレそっくりのコシード、その先のポルトガルではコジードと濁りますが、基本的にカスレと同じ料理です。
ラングドック・ルーション同様に太陽の光をいっぱい浴びた果実味たっぷりの赤ワインは、カスレやコシードの最高の相性です。
いかがでしたか。時間をかければご家庭でも美味しく作れるカスレやコシード。コトコトと炊いた冬のご馳走と、果実味あふれる南のワインを合わせてお試しください。