脂の乗ったさんまはワインにぴったり。魚介類には軽めの白ワインを合わせがちですが、さんまは味や香りが強く、旨味もあるので、コクのある白や赤ワインも合います。お料理を工夫して色々なワインを合わせてみましょう。
秋刀魚とワインの基本ペアリング
サンマといえば秋の旬の時期に食べる塩焼き。その場合は、秋に実る柑橘であるすだちやカボスなどを搾るイメージで、柑橘の香りを感じさせる白ワインを合わせるのが常道です。ただし、脂が乗った旨みもあるサンマには少しコクのある白ワインやスパークリングもいけます。
塩焼き以外の食べ方で、洋風にトマトソースを合わせたり、甘辛く煮たりする場合は軽めの赤ワインも合います。
秋の旬、さんま
日本人ならほぼ誰でも頭に浮かべてしまう秋の旬といえば、秋刀魚(さんま)でしょう。サンマは日本列島沖の太平洋を回遊する魚で、春から初夏は黒潮に乗って北上、夏に国後~択捉島沖で反転して沿岸に近づき漁師の網にかかります。高速で泳ぐため体は刀のように細長いので「秋刀魚」。脂の乗った秋のさんまの塩焼きは日本人の大好物です。
さんまの食べ方
さんまの塩焼きは、はらわたの苦味が少なく、丸ごと美味しく食べられます。はらわたまで食べられる理由は、サンマには胃がないため、内臓に消化物がほぼ入っていないからだそう。塩焼き以外にも、カルパッチョや揚げものなど食べ方も様々、パスタの具としても大活躍。苦味の中に旨みもあってコクのある味わい。旬の美味しさをワインを合わせてたっぷり楽しみましょう。
白ワインとさんまのマリアージュ
買ってきたさんまに塩を振って焼くだけで十分美味しいのは、旬ならではの食材ゆえ。スダチやカボスを絞るように柑橘系の白ワインを合わせましょう。ただ旨みや複雑味もあるので、少しコクのあるタイプも合います。
さらにコクのある白を合わせたい場合は、オリーブオイルで煮てコンフィにしたり、マスタードを塗ってオーブン焼きにしてみてはいかがでしょうか。おすすめです!
シェリー系とさんまのマリアージュ
世界三大酒精強化ワインとして有名なシェリーの地元アンダルシア州には酒精強化(アルコール添加)しない古代製法のシェリー系ワインがあります。アルコール添加しない素直な香りとキレの良さは、まさに純米大吟醸のようで、さんまの香りも苦さも殺さず、大根おろしや柑橘にもぴったりです。
スパークリングワインとさんまのマリアージュ
魚の中でも特に脂が乗っていて旨味もあるので、爽やかなスパークリングワインも合います。オリーブオイルをたっぷりかけたカルパッチョはいかがでしょう。香ばしく仕上がる竜田揚げも、油っこさを洗い流してくれるので、スパークリングワインにぴったりです。
赤ワインとさんまのマリアージュ
さんまは青魚で鉄っぽいニュアンスもあるため、軽めの赤ワインも合います。塩焼きと赤ワインを合わせるのは難しいですが、少し甘めの味付けの甘露煮や蒲焼きはいかがでしょう。洋風ならトマト煮やトマトソースがけがおすすめです。
いかがでしたか。塩焼きだけなんてもったいない。ぜひ色々なレシピにトライしてみてください。