日本のお正月を彩るおせち料理。海の幸、山の幸が含まれ、お屠蘇が通例の伝統的なおせち料理にワインを合わせる場合は、お祝いの気分も盛り上がるスパークリングワインや、バランスの良い爽やかな白ワインを合わせてみましょう。
目次
伝統的なおせち料理とワインの基本ペアリング
数の子、昆布巻き、たたきごぼう、かまぼこ、田作り、伊達巻、えび、鯛、鮑、棒鱈、なます、酢蓮根、煮しめ、八幡巻、黒豆、栗きんとん等々、日本の伝統的なお節料理は冷たくても美味しく食べられるもの、日持ちを考慮して少し濃いめの味付け、醤油と砂糖の甘辛さ、酢の物、スイーツのような甘い物、海の物と山の物といった特徴があります。
これらを少しずつ、一度の食事でいただくので合わせるワインも全体の邪魔をせず、まとまりが良くなるものが良いでしょう。料理の特色から赤ワインは合わないメニューも多いので、新年のお祝いの意味も込めてスパークリングワインや、すっきりとしたタイプでバランスの良い白ワインを合わせると良いでしょう。アルコール度数が高めでまったりとしたタイプの白ワインなども面白い組み合わせになります。
おせち料理とは|もっと詳しく
おせち料理の起源は古く、弥生時代に遡ります。一年の季節を24に分けた二十四節気と呼ばれる区切りが中国から日本に伝わり、季節ごとに神様にお供えをした習慣がそのもととなっているそうです。1月のお供えのご馳走がお正月料理として定着したのは江戸時代で、その頃からお料理の1つ1つに意味が込められるようにもなりました。(豆はまめに働くように、クワイは芽が出るように、数の子は子孫繁栄など)
昭和の頃は、一年中家を守って家事に追われている主婦が、年末に全ての料理を終えて、三が日くらいはお料理をしなくても良いようにとの意味合いもあったおせち料理ですが、近年では家で作るものから、注文して届けてもらうものへとすっかり姿を変えてしまっています。
また、食事の好みが変わってきたこともあり、ローストビーフやテリーヌ、スペインオムレツや生ハム、キッシュ等の洋風おせちや、中華風おせちといったアレンジおせち、有名シェフの手がけるおせちなど、これまでの伝統的なおせち料理以外のおせちも市場を賑わせています。
スパークリングワインと伝統的なおせち料理のマリアージュ
食材も味付けもバラエティに富んだおせち料理。新年を祝う席でもあり、スパークリングワインはもっとも華やかで、好相性と言えるでしょう。
お祝いにはシャンパーニュ
こんなスパークリングも
白ワインと伝統的なおせち料理のマリアージュ
白ワインなら切れ味よく、バランスの良いすっきりタイプが無難ですが、アルコール度数が高めのまったりとしたタイプも面白い組み合わせになります。
バランスの良いすっきりタイプなら
ロゼワインと伝統的なおせち料理のマリアージュ
いろいろな味が組み合わさるおせち料理。幅広く相性がいいのはロゼワインですが、酸味がしっかりしたものがおすすめです。
ちょっと変わり種のシェリータイプも
日本酒の純米吟醸を思わせる独特の味わいをもったシェリータイプワインも、伝統的なおせち料理とは良い組み合わせ。
番外編:ピンポイントなマリアージュ
おせち全体と一緒に合わせる場合は、上記のようなワインがお勧めですが、ここではピンポイントな組み合わせも少しご紹介します。
生牡蠣やお刺身が中心の場合は
おせち料理と共に、お刺身や生牡蠣などもたくさん召し上がる場合は、すっきり切れ味の良いこんなワインがピッタリ。
まさかのいくらには…
もっぱらワインとは合わないと言われている魚卵。その代表格であるいくらには、実はそのしょっぱさと対照的な甘口ワインである貴腐ワインが意外にも合うのです。
やっぱり赤ワインが飲みたいという方には
おせち全体を見渡すと赤ワインには分が悪いのですが、根菜のお煮しめや筑前煮、鶏の照り焼きや松笠焼き、八幡巻などには軽めの赤ワインも十分に楽しめます。ボジョレーはよく合いますが、特におすすめは熟成の短いボジョレーヌーヴォーです。
ワイン好きなら、お正月もワインで楽しみたいもの。ワインに合うおつまみを用意するのももちろんいいのですが、おせち料理もワインと一緒に楽しむことができるんです。華やかにスパークリングで乾杯もよし、すっきり爽やかな白もよし。それ以外にもお正月の料理と楽しみたいワインはいろいろ。ぜひワインとおせちも楽しんでみてくださいね。