フランスのクリスマスの定番デザート「ブッシュドノエル」。日本でもすっかりお馴染みとなったこのケーキ、クリームや素材に合わせたワインを選んでさらに美味しくいただきましょう。
目次
ブッシュドノエルとワインの基本ペアリング
ロールケーキを薪に見立てて仕上げられたブッシュドノエル。デコレーションされるクリームは、チョコレートを使ったガナッシュを筆頭に、生クリーム、バタークリーム、マロンクリームなどが一般的。アレンジ編で抹茶やイチゴなどのベリーを使ったクリームのブッシュドノエルもあります。
ワインを合わせる際は、チョコレートクリームの場合は、カカオの香りを秘めた赤ワインやポルト、コニャックなどの蒸留酒がおすすめ。フルーツを使った生クリームの場合は、アルコールもあまり高くない甘口のスパークリングワインがぴったりです。バタークリームには少し酸味もある甘口の白ワイン、マロンクリームには香りを引き立ててくれる蒸留酒がおすすめです。
とはいえ、現地フランスではお祝いの席のデザートにはシャンパーニュが開けられることが大半。クリスマスパーティならぜひシャンパーニュを用意して、大いに盛り上がりましょう。
ブッシュドノエルとは
フランス語で「クリスマスの薪(切り株)」を意味するブッシュドノエル。そもそもは冬至の夜に、大きな切り株状の薪を暖炉にくべ、できるだけ長くその火を絶やさないようにしていた伝統が元になっています。それに使われる木は翌年の繁栄を願って、りんごやプルーン、オリーブといった果実を実らせる木が選ばれていました。
本来の姿である薪がお菓子へと姿を変えたのは19世紀半ばごろと言われていますが、一般的にクリスマスのデザートとして食べられるようになったのは戦後、1950年以降。薪を模して、チョコレートクリームで覆われているものが元来の姿ですが、現代では、雪をイメージして生クリームやバタークリームが使われたり、味のアレンジとして中に巻き込むものや周りを覆うクリームもさまざまなものが使用され、ケーキ屋さんやレシピサイトを賑わせています。
ブッシュドノエルとシャンパーニュのマリアージュ
年に一度のクリスマスには、ぜひとびきりの贅沢を。シャンパーニュと上質なチョコレートは至福の組み合わせでもあります。
チョコレート味のブッシュドノエルとワインのマリアージュ
ブッシュドノエルの基本とも言える、チョコレートクリーム(ガナッシュ)仕立ての場合、チョコレートやカカオのニュアンスのある赤ワインやポルト、そしてチョコレートととても相性の良いコニャックやアルマニャックといった蒸留酒がおすすめ。
甘いものと甘い飲み物なのですが、チョコレートとの相性ピッタリ。
そして芳醇な香りに包まれたい場合は、これらの蒸留酒をどうぞ。マロンクリームのブッシュドノエルにも、この上なくよく合います。
少し甘さ控えめが好きな人には、甘口のスパークリングもおすすめです。アルコール度数も控えめなので、まさにデザート向き。
生クリームのブッシュドノエルとワインのマリアージュ
生クリームとフルーツを使ったショートケーキのようなブッシュドノエルには、優しい甘みのスパークリングワインが一押しです。
バタークリームのブッシュドノエルとワインのマリアージュ
バタークリームのブッシュドノエルには、濃厚なバターの味わいに少し爽やかさを添えてくれる貴腐ワインや、酸味も兼ね備えた甘口の白ワインがよく合います。
クリスマスのデザートとして選ぶことも多いブッシュドノエル。ワインと合わせることで、デザートとしての完成度もググッと上がります。ぜひお祝いにふさわしいワインを用意して、聖夜をゆったり美味しく過ごしてくださいね。