春の到来を感じさせてくれる山菜。独特の苦味や渋味、滋味に富んだ香りを持つ山菜は、調理法に合わせてワイン選びをするとうまくはまります。
山菜料理とワインの基本マリアージュ
調理の際、アクを完全に抜き切ってしまうと山菜独特の味が薄れてしまう為、わずかに苦味や渋味が残る位が一番美味しく、山菜とワインのマリアージュでは、この残ったアクとの相性がポイントです。重い赤ワインのポリフェノールや強い樽香で抑え込むのではなく、控えめに寄り添うワインがおすすめ。また農薬の化学物質が残留するワインはどの成分が反応してしまうかわからないので、避けるのが無難です。下処理のコツさえつかめば、意外と簡単な調理法で作れるお料理ばかり。ここでは、おすすめの調理法別に合うワインをご紹介します。
春の味覚「山菜」
大地のエネルギーをたっぷり含んだ春の恵み、山菜。独特の苦味や渋味、滋味に富んだ香りを持つ山菜は、旬ならではの美味しさを楽しめる食材です。
山菜は冬枯れの中に生まれ出る新芽、美味しければ鳥や動物に食べられてしまいます。そこで食べられないように、えぐみや渋味や苦味をまとっているのです。人はこのえぐみ、渋味、苦味(アク)を取り除く技を見つけ出し、本来はまずい山菜を美味しい春のご馳走に仕立てました。アクの中でもえぐみはホモゲンチジン酸やシュウ酸でタケノコに、苦味はアルカロイドでわらびやゼンマイに、渋みはポリフェノール類で広く山菜や根に多く含まれます。塩ゆですれば抜ける物質もありますが、米ぬかや重曹を使ってゆでたり、高温の油で揚げたりしないと抜けない物質もあります。 |
山菜の素揚げとワインのマリアージュ
ふきのとう、たらの芽、こごみ等、多くの山菜で楽しめる素揚げにはスパークリングワインや白ワインがよく合います。山菜の苦味は油と相性がよく、油によって増したコクをワインが引き立ててくれます。
グリューナーフェルトリーナーは、柑橘類のフルーティさを感じつつ、白胡椒の爽やかな香りや後味のレモンの皮のようなほろ苦さがあり、様々な山菜の素揚げと楽しめます。
山菜の天ぷらとワインのマリアージュ
素揚げだけでなく、山菜の天ぷらも人気です。塩でいただく天ぷらなら、素揚げと同様、スパークリングワインや白ワインがおすすめです。
天つゆでいただく場合や、タラの芽のように少し風味の強いものの場合は、赤ワインにも合います。優しいタンニンのピノノワールは、お醤油や出汁との相性がよく、おすすめです。
山菜の炒め物とワインのマリアージュ
うどのきんぴらやふき味噌などの山菜の炒め物は、油によってコクが増し、醤油や味噌の味染みもよく、赤ワインがよく合います。土や野菜のニュアンスがあるような優しく滋味深い赤ワインがおすすめです。
いかがでしたか。ほかにも和え物やおひたしなどの調理法もあります。栄養豊富で春のデトックスにもぴったりの山菜。ワインとのマリアージュで美味しくデトックスしましょう。