日本ではもっともお馴染みの中華料理の1つと言っても過言でない、麻婆豆腐。ピリ辛のこの料理とワインを合わせるには、ちょっとしたコツが必要ですが、ぜひ美味しいマリアージュを楽しみましょう。
麻婆豆腐とワインの基本ペアリング
麻婆豆腐の構成要素は、ひき肉、そしてスパイシーで辛味成分も引き受ける唐辛子や山椒、豆板醤、そして豆腐です。ここに甜麺醤や豆豉といった旨み成分も加わります。ピリ辛な部分を少し和らげて美味しくいただくなら、スパークリングワインがピッタリ。ドライな辛口タイプよりも少し優しめのタイプやより合います。
そして中華料理全般と合わせやすいロゼワインも良いでしょう。こちらも白ワインに近いすっきりタイプより、少し色味も濃いタイプがオススメです。ひき肉や醬の旨みを考慮すると、スパイスと相性の良い、強すぎない赤ワインも候補に上がります。
麻婆豆腐とは
お豆腐と挽肉を唐辛子や山椒、豆板醤等の調味料で炒めた四川料理のひとつ麻婆豆腐。「マー」と呼ばれる山椒と「ラー」と呼ばれる唐辛子のダブルの辛さが特徴です。日本では1980年代に四川省出身の料理人が、辛さを抑えて作りやすくして紹介したのをきっかけに広まり、現在は外食でもご家庭でも中華料理の定番です。
辛めの中華料理とワインとのペアリングはハードルが高いイメージもありますが、コツを知れば美味しいマリアージュが楽しめます。
スパークリングワインと麻婆豆腐のマリアージュ
まず、辛いお料理にはスパークリングが万能。ワインの果実味が辛さを包み込み、スパイスの香りを引き立ててくれます。ロゼスパークリングや赤の微発泡はタンニンを含んでいるので、お料理にも負けず、おすすめです。少し甘味のあるタイプも、辛さをまろやかにしてくれるでしょう。
ロゼワインと麻婆豆腐のマリアージュ
中華特有のスパイスの香りにはロゼワインが合います。
薄い色よりも濃い色のロゼワインのほうがタンニンが多いので、お料理にも負けず、おすすめです。また、酸化防止剤を最低限に抑えた、よりナチュラルなつくりのワインの中には、八角や五香粉のような中華特有のスパイスとぴったり同調するものが多いので、ぜひ試してみてください。
赤ワインと麻婆豆腐のマリアージュ
最後に、お肉の旨味やスパイシーさに合わせた赤ワインもおすすめです。味付けの特徴に合わせてぶどう品種別にご紹介いたします。
比較的まろやかな味わいの麻婆豆腐には、タンニンが柔らかく、滋味深いガメイはいかがでしょうか。お豆腐の柔らかい食感にもぴったりです。
パンチのある麻婆豆腐には、シラーがおすすめです。濃縮した果実味とスパイシーさを持っているので、お肉の辛旨さにとても合います。
山椒が効いている麻婆豆腐には、カベルネフランやツヴァイゲルトも好相性。品種独特の個性として、オリエンタルな刺激があり、山椒の風味にぴたっとはまります。
いかがでしたか。スパイスの使い方で味わいの幅が広がる麻婆豆腐、ぜひ色々なワインを合わせてみてください。