フレンチの前菜やカフェのランチメニューなどでも見かけるキッシュ。今ではさまざまな具材で楽しまれていますが、その原点となるキッシュロレーヌはフランスはロレーヌ地方の伝統料理。ロレーヌ地方のお隣、アルザスのワインがぴったりです。
目次
キッシュ・ロレーヌとワインの基本ペアリング
サクッとしたタルト生地やパイ生地に、アパレイユと呼ばれる卵、生クリーム、牛乳を混ぜたベース、そこにシンプルにベーコンと玉ねぎが入っているのがキッシュ・ロレーヌです。このシンプルなキッシュには、クリームやベーコンと相性の良いアルザスワインがおすすめです。
キッシュ・ロレーヌとは
タルト生地に具材と卵とクリームを流し込んで焼き上げるキッシュ。キッシュの語源はドイツ語のクーヘン(=ケーキの意味)と言われています。タルトケーキを作る要領でカスタードクリームの砂糖代わりに塩、ベーコンや玉ねぎなどの具材を詰めて焼き、食事用タルトとしたのが「キッシュ・ロレーヌ」。ワインとの相性は抜群です。
発祥はフランスのロレーヌ地方です。南隣のアルザス地方と共にライン川沿いで、フランスとドイツの国境地帯になるため、仏独が奪い合った歴史があり、両方の国から影響を受けた独特の文化圏です。1870年の普仏戦争ではロレーヌが主戦場となり、フランス中から集められた兵士たちが好んで食べたことからフランス中に広がり、今ではフランスの家庭料理、ビストロ料理で欠かせない存在になりました。
フランス料理として発達し、様々なバリエーションができたので、いろいろなワインとマリアージュできますが、ここでは同じ文化圏のアルザスのワインからご紹介します。
クレマン ダルザスとキッシュのマリアージュ
クレマンダルザスはロレーヌ地方の南隣のアルザス地方で作られる瓶内二次発酵のスパークリングワインで、ミネラリーで透明感があり、キッシュのような素朴で優しいお料理をワンランク上に引き立ててくれます。具材をアレンジして、ベーコンの代わりにシーフード等を選んでも、きれいにペアリングできます。
エデルツヴィッカーとキッシュのマリアージュ
単一品種で作られることが多いアルザスワインですが、 エデルツヴェッカーはアルザスの代表品種をブレンドした白ワイン。ブレンドによりバランスがよく、飲みごたえがありつつも優しい味わいなので、ほうれん草等の野菜や卵の風味に寄り添ってくれます。
ピノグリとキッシュのマリアージュ
チーズの量や具によってボリューム感のあるキッシュに合わせるなら、ピノグリがぴったりです。アルザスのピノグリは成熟度が高く、まろやかなコクがあるので、お互いを高めあってくれます。キッシュ生地のコクも、ピノグリとよく合います。
ピノノワールとキッシュのマリアージュ
キッシュ生地のサクっとした食感や香ばしさに合わせて、ピノノワールはいかがでしょう。特にきのこやカボチャを使ったキッシュにおすすめです。素朴で土っぽい味わいが、きのこやカボチャのほっこり感にぴったりです。
クラフトビールとキッシュのマリアージュ
ロレーヌ地方はドイツの影響を受けていて、素晴らしいビール造りの伝統があります。アルザスとロレーヌの県境北ボージュ山地でクラフトビールを造るブレッシングさんのアンバービールは濃厚で、ボリュームのある「キッシュ・ロレーヌ」との相性が抜群。ぜひ冷やし過ぎずにワインセラー温度で!
いかがでしたか。キッシュは冷凍パイシート等で手軽に作ることも可能です。色々な具材を使って、ワインとのマリアージュを試してみてください。